カルトな日々①・・・あなたは誰??メタルミュージシャンによるアフリカ飢餓救済チャリティ・プロジェクト、ヒア・アンド・エイドでのエリック氏の強烈な存在感

ブルー・オイスター・カルト(Blue Öyster Cult)

「カルトな日々」では、管理人とBlue Öyster Cultの出会い、思い出などエピソードを通してバンドの持つ強烈な個性、魅力をお伝えしていきたいと思います。個人的な話が多くなりますが、お付き合いいただければ幸いです。

最初のごあいさつでも申し上げましたが、管理人はヘヴィ・メタルのファンです。長く細々と聞き続けて35年ほど経ちます。好きなヘヴィ・メタルバンドは?と尋ねられて思い浮かぶのは、Judas PriestとBlack Sabbath、そしてPanteraです。音楽好きの方ならば、管理人がリフ主体の重くて先鋭的なヘヴィ・メタルが好きだとご理解いただけると思います。

それでは 、所謂ヘビメタではないBlue Öyster Cultはなぜ好きなのか?となりますね。 Blue Öyster Cult とは自分にとってどういうバンドなのか?改めて考えてみました。私にとっては、人生の要所要所でそこにいて、離れたり戻ったりを繰り返し、そして、これからもずっと聞いていきたい不思議な存在です。若いころにはなぜ好きかを上手く言葉にできなかったが、今はなぜ好きかがわかる。かつてスルーしてしまった作品の面白さと深さを今はわかる。人生の深みと共により興味を持ち、より好きになってきた稀有なバンド。それがBlue Öyster Cultなのです。

管理人が Blue Öyster Cultに出会ったのは1985年-86年です。バンドの曲を聞いて感銘を受けファンになったのではありません。メタルミュージシャンによるアフリカ飢餓救済チャリティ・プロジェクト、ヒア・アンド・エイドHear ‘n Aidがきっかけでした。当時、ロニー・ジェイムズ・ディオが中心となり、アフリカ飢餓救済のチャリティプロジェクトが行われると話題になりました。賛同者のリストを見て、あまりの豪華さに目がくらみそうでした。当時のハードロック/ヘヴィ・メタル界のスターたちが集合したのです。ロニー、ロブ・ハルフォード、ジェフ・テイト、デイヴ・メニケッティ、ポール・ショーティーノ、イングヴェイ、ニール・ショーン、ジョージ・リンチ、ブラッド・ギルス、ブラッキー、ヴィンス、カーマイン・アピス、ルディ・サーゾ、ミック・マーズ、トミー・アルドリッジ・・・これだけ実力と華のあるミュージシャンを集めて一つの曲、”Stars”におさまりきるのか?心配になるほどでした。

管理人が所持している「Stars」12インチシングル盤のレコードジャケットです。下の方に参加ミュージシャンリストがあります。ERIC BLOOM とDONALD “BUCK DHARMA” ROESER”記載されています。バンド名はBlue Oyster Cultとウムラウトがついていません。モトリークルーにはウムラウトが正しくついていますが・・・

曲が完成されて公開されました。ミュージシャンの個性と力量が反映された仕上がり。吸い込まれるような気持ちで集中して曲を聞きました。一節づつ交代でボーカリストが代わっていきますが、その中で私の知らないボーカリストが一人いたのです。聞いたことがない声。たった一節でしたが、耳にひっかかりました。表現力と説得力、深み、オーラが違う。解説の記事には(雑誌名は失念しました。海外の雑誌です。)“Eric Bloom Blue Öyster Cult”と書かれてました。私の知らないミュージシャン。メタル畑の人じゃないのか?ところで、あなたはいったい誰??これが、私の初めてのカルト体験です。

チャリティの趣旨に賛同するのが参加の必須条件ですが、そもそも、実力と人気がなければあの場にはいられません。ロニーの参加OKもないでしょう。そして、何より、舞台度胸もなければ話は引き受けないでしょう。ロニー、ロブら超有名ボーカリストの引き立て役になってしまうからです。私はますますEric Bloomというミュージシャンに興味を持ちました。

ご存知でない方もいらっしゃるかもしれませんので、Ericが担当したパートをご紹介いたします。2部パートのイントロの部分です。メタルファンにはおなじみのポール・ショーティーノとジェフ・テイトの前の一節です。ポール・ショーティーノは若いころから実力も人気がありました。素朴で情熱的な歌声が魅力です。一方、ジェフ・テイトは当時の若手のメタルボーカリストNo.1の力量。本格派としてメジャーになりつつありました。そのポールとジェフに霞まない独特な存在感をEricは見せつけていたのです。

2節目の歌詞 歌いだし部分
Eric Bloom (Blue Öyster Cult):We can be strong, we are fire and stone
Paul Shortino (Rough Cutt): And we all want to touch a rainbow
Geoff Tate (Queensrÿche):But singers and songs will never change it alone
We are calling you, calling you

管理人的な解釈で恐縮ですが、それぞれのキャラクターをふまえ、歌詞を日本語にすると以下のような感じでは?

Eric Bloom (Blue Öyster Cult):我々は力強くいられる存在なのだ。我々は炎であり石でもある。
Paul Shortino (Rough Cutt): そうだよ!俺たちみんな(希望の象徴の)虹に触れたいんだよな!
Geoff Tate (Queensrÿche):でも、僕たちミュージシャンがこうやって歌を歌うだけでは何も変わらないだろう。だから、僕たちは君たち、そこの君たちに呼び掛けているんだよ

以下、”Stars”のYou tube の動画です。1:32~がEric。後で述べますが、4:50あたりからがDonaldの参加パートです。

いかがでしょうか?Ericは、とても力強く説得力がありますね!!

EricだけではなくDonaldもギターソロで参加しています。連続するギターソロの最終パートで、ブラッド・ギルス、グレイグ・ゴールディと一緒に弾いてます。当時、管理人はDonaldのことも知りませんでした。アーミングを多用する速弾きのブラッド・ギルスとDioの人気ギタリストだったグレイグ・ゴールディといっしょにいるあなたは誰?弾むようなポップなギターを弾くギタリストだけど。。これがDonaldの第一印象です。(翌日Live盤を購入し、認識をすぐに改めました。)

バンド名にメタルウムラウト、アルファベットの上につけるドットを使っており、このミュージシャンは只者ではないはず・・と逸る気持ちも沸き上がりました。当時、メタルウムラウトのスタートはBlack Sabbathのパラノイドのシングル盤の表記だったと記憶しており、その後Motörhead、Mötley Crüeも使用していたと理解していました。( Blue Öyster Cultが先に使用していたと後で知りました。)もしや、Black Sabbathのようなバンドなの?!レコードを聴いてみよう!と思い立ち、次の日に輸入レコード屋に向かいました。

バンドの名が掲げられたラックを覗いてみると、レコード一枚だけ入れてありました。ゴシック系の教会の前に不思議なマークの旗を掲げた黒いリムジン。タイトルはOn Your Feet or on Your Knees自立するか、さもなければ、服従するかだ。不吉な予感たっぷりのジャケットは幼少期から江戸川乱歩が好きだった私にはなじみのある世界でした。私は、引き込まれるようにレコードを購入したのです。結果的には、最初に買ったレコードがOn Your Feet or On Your Kneesでラッキーでした。もし他の作品、よりポップな洗練路線を追求した時期の作品であれば、私は Blue Öyster Cultを聞きつづけることはなく、今日このブログを書くこともなかったでしょう。

次回は15才の私がOn Your Feet or On Your Kneesを聞いて思ったこと、その後のカルトな日々についても語っていきたいと思います。

12インチシングルの裏ジャケット。Ericが担当したパート、下の方にGUITAR SOLOS 6thでDonaldの名前が記載されています。
左側上部にEric、下部にDonaldの写真

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