カルトな日々①の続きです。15才の時に輸入レコード屋で購入したOn Your Feet Or On Your Knees。管理人がBlue Öyster Cultの深い闇に入った第一歩でした。振り返って考えてみると、最初に出会ったのがこの作品でなければ、Blue Öyster Cultを聞きこむこともなく、長くつきあうこともなかったと思います。激しめなライブ盤だからこそ成り立ったご縁だったのです。私はこの出会いを演出してくださった、西新宿の某輸入レコード屋さん(今はもうないようですが)に心から感謝します。
洗練されたソフトなロックを目指していたころの作品、例えば、Mirrorsであれば、一回聞いて「ふーん。。。」で終わったでしょう。カルトのファンになっていたことはなかったはずです。15才のころ、日本の学制でいうと中3-高1ぐらいの管理人は、所謂、メタルキッズでした。起きている時間はヘヴィ・メタルを聞くか本を読むかポプリを作るか、たまに大相撲中継を見る生活をしてました。SlayerのTシャツを着て赤のコンバースを履き、市の図書館でメタルのレコードを視聴。友達から音源お好みテープをもらいレコードの貸し借りをする。ハーブ類を乾かしながらメタル雑誌を読む。時々、ライブハウスや来日公演に行く。毎月5日前に小川町のシンコーミュージックビルに張り出されるBurrn!の表紙を確認しに行く。一貫校で受験がなかったので、勉強せずメタル一色の生活だったのです。
当時私が傾倒していたのは、スラッシュメタルにカテゴライズされていたバンドでした。Slayer、Overkill、Megadeth、Metallica(初期3枚)、Testament、Anthrax、Nuclear Assaultなどです。頭の中では常にリフがザクザク鳴り、キュワーンというアーミングが鳴り、がっつりしたベースがリズムを刻みます。年齢的なものか元からの管理人の元来の気性なのか、どうせやるならエクストリームがいいじゃん!と思っていたのです。入口はヴァンヘイレンだったのに、日に日に音楽的な志向が過激化していった頃でした。
そこに、するっと入ってきたのが Blue Öyster CultのOn Your Feet Or On Your Knees。先のブログで、レコードジャケットの不気味な感じ、ゴシック教会の前に弔旗をつけた黒いリムジン、が自分の好みにがっつりフィットしていたと申し上げました。幼児期から江戸川乱歩の少年探偵シリーズを愛読してた私でしたが、あのジャケットを見たときに、「これは素通りできないな」という感覚を持ちました。そして目に入ってきた作品のタイトル On Your Feet Or On Your Knees。ずいぶん挑戦的なバンドだなと思いました。「自立しろ、さもなければ、服従しろ」なんて。ワクワクではなく、ザワザワしながらレコードに針を落としたのです。しばらく曲を聞いて、私はこう告解しました。
「ギターの人、ごめんなさい。昨日はえらくポップなギタリストだと思ってたけど。めちゃくちゃハードじゃん。」
クールではりつめてて、ぶちきれそう。うさんくさくて面白い!これがBlue Öyster Cultの作品を聞いた時の印象です。この印象は35年変わりません。On Your Feet Or On Your Kneesはいかにも、Blue Öyster Cult らしい作品であると思います。断言してもいいと思いますが、彼らは正真正銘のライブバンドで、ライブでこそ光り輝くと思います。リリースされた数枚のライブ盤のクオリティがその査証です。一番好きなBÖCのアルバムが「地獄の咆哮」もしくは「 暗黒の狂宴〜B.O.C.ライヴ」というロックファンが私の周りには多数います。ライブで鍛え上げられたバンドです。もし最初に一枚カルトの作品を聞いてみたいと思う方ロックファンの方には、私は、このアルバムをお勧めいたします。
このアルバムは本当に大好きで、スラッシュメタルの間に何度も聞きました。が、当時、リアルタイムでリリースされた「倶楽部ニンジャ」がかなり苦手だったこともあり(作品をお好きな方、ごめんなさい)BÖC にのめりこむことはなく、著名な作品、オカルト宣言やタロット、地獄の炎、ライブ盤を聞く程度でした。それから4年ほどして管理人はアメリカに留学したのですが、その時にまた転機がやってきたのです。留学先での衝撃カルト体験についてまた追って語りたいと思います。
最後に、On Your Feet Or On Your knees についての面白い記事をご紹介します。「ローリングストーンジャパン」の2020年4月21日配信記事です。https://rollingstonejapan.com/articles/detail/33684/3/1/1
「メタリカのラーズ・ウルリッヒが選ぶ、最強のメタル/ハードロック・アルバム15作」としてOn Your Feet Or On Your Kneesが紹介されています。ラーズ氏は「これは史上最高のライブアルバムのひとつだ。」とコメントしています。「当時のニューヨークのシーンには知的なイメージがあった。あの頃売れてた他の野蛮なバンドに比べると、彼らはスマートで落ち着いていて、どこか凛としてる感じがあったね。」とのこと。ラーズ氏の相変らずの辛口はともかく、Blue Öyster Cult 心底お好きな様子が伺えますね。1998年リリースのGarage Inc.で”Astronomy”をカバーしていました。思い切った選択、渾身のカバーだったと思います。Astoronomyのカバーを聞いて興味を持った若いMetallicaのファンがこのライブ盤を聞いてくれれば、若いカルトファンが増えるのになあ・・と自分の経験を元に管理人は思います。是非、そのようになってほしいと思います!
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